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久田所長のSE弁理士ブログ

あの『キユーピー』その2

商標豆知識について

キユーピーの登録商標の歴史を調べてみると、1915年の登録番号0074144」から現在まで、500件を超える関連の登録商標があります。指定区分もほとんどの区分で登録を受けています。キユーピー株式会社が、銃砲や戦車を製造販売することはないと思われますが、出願はできるのです。


商願2015-9755  区分13(銃砲、銃砲弾、火薬、爆薬、火工品及びその補助器具、戦車)

出願人:キユーピー株式会社


 

では、製造も販売もしていない商品で、なぜ出願できるのでしょうか?これは、我が国商標法の、商標保護の考え方に基づいています。我が国では、商標申請する場合、その時点での商品等への使用事実を義務付けておりません。

つまり、使用していなくとも、出願ができ、審査を通過すれば、登録が認められるのです。これを、先願主義といいます。「商標は早い者勝ち」と言われる理由は、これです。

一方、使用主義を採用する国も存在します。使用主義は、申請時に商標の使用事実を報告しなければなりません。

登録が認められるかどうかわからない段階で、商品等を準備し、その使用をしていなければならないのです。

当然、コストやリスクが存在するため、我が国では、先願主義を採用しています。

「キユーピー」の区分13による出願に関しては、会社側も、「著名商標の保護強化のため」とのコメントを出しているようです。マヨラーの皆様、ご安心ください。

『マヨラー』? よく聞きます。ひょっとして。調べました。 登録商標です。

『マヨラー』 区分29(食肉等),30(コーヒー及びココア等) ※)キユーピー株式会社の登録商標でした。

『マヨラー』が、戦車に乗ることはなさそうです。またまた、変な光景が浮かんでしまいました。