2015年7月18日
工業製品のデザインやデザイナーを保護する「意匠権」
その他
知的財産又は工業所有権というと、特許、商標は、ある程度知られていますが、意匠はどうも知名度が今一つです。その傾向は出願件数にも現れています。ここ数年、特許(約32万件)、商標(11万件)、意匠(約3万件)と、その差は歴然です。特に、特許と意匠では、10分の1です。個人的には、もっと利用すべきと考えております。特許庁ホームページでは、動画により、わかりやすく「意匠」を紹介しています。
ぜひ、ご覧になってください。意匠権の重要性や、意匠特有の各種制度などについても、詳しく説明しています。→特許庁「意匠権ものづくりの強い味方」(動画です)
意匠権は、工業デザインに関わる企業、デザイナーの方にとっては、とても有効な権利です。知財というと「特許権」を連想しがちですが、「意匠権」も非常に強力なので、おすすめです。
意匠法第2条1項
この法律で「意匠」とは、物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美観を起こさせるものをいう。
これが、意匠法上の「意匠」の定義です。要するに、物の外観デザインは、意匠権で保護されることになります。デザイン(外観)自体が、権利対象ですので、その権利が明快で、外観が、同一か又は似ているかどうかで、権利の侵害を判断することができる利点があります。
意匠権は、特許権同様の、差止請求や損害賠償請求が可能であるにもかかわらず、特許権と比較すると、権利化のための費用は数分の1であり、コストパホーマンスが高いといえます。優れたデザインは、模倣の標的になります。世界でも評価が高い日本の工業デザインは「Cool Japan」なのです。