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久田所長のSE弁理士ブログ

本日は『白い恋人』VS「吉本興業株式会社」です。

商標豆知識について

本日は、『白い恋人』VS「吉本興業株式会社」です。まず、『白い恋人』といえば、北海道出張の定番おみやげとして、全国的に有名なお菓子です。私も、エンジニア時代、北海道出張の度に、お世話になりました。先日、北海道の方とお会いしたときに、話題になったことから、調べてみました。『白い恋人』は、お菓子メーカー「石屋製菓株式会社」の登録商標です。このお菓子は、ネーミングによるヒット商品として、日本のみならず、世界的にも有名です。


登録1435156(白い恋人)区分30 菓子及びパン

※)石屋製菓株式会社の登録商標です。


1980年、『白い恋人』の登録から始まります。その後、商品が大ヒットしていくことになります。しかし、この段階では、登録商標『白い恋人』は「菓子及びパン」にのみ独占使用ができる商標でした。

1981年 登録番号1491478 『白い恋人』区分(1,5,29,30,31,32,33)商品の爆発的なヒットにより、「石屋製菓株式会社」は『白い恋人』を強化し、一気に7区分の商品を追加登録しています。当初は、区分30「菓子及びパン」のみの商標として登録を受けていたため、それ以外の商品には、商標権の効力が及ばないため、区分1(人口甘味料)、区分5(乳児用粉乳等)、区分29(乳製品)などにも権利を広げていきました。

その後も、強化は続き、現在、『白い恋人』が権利を抑えた区分は、全45区分中の6割強に及んでいます。このように、区分を追加し、『白い恋人』の権利範囲を拡大すると同時に、以下のような商標も取得しています。『純白の恋人』、『白い恋人達』、『白い恋人同士』、『恋人広場』、『白い恋人の涙』、『私の白い恋人』のように関連性のある商標についても、登録を行い、商標『白い恋人』の保護の強化を続けています。

商品がヒットし、商標が、全国的に有名になると、類似品という問題が発生します。ヒット商品の宿命です。商標は、一旦登録が認められれば、10年毎の更新手続きにより、永久に独占使用が確保できる強力な権利です。したがって、ヒット商品を持つすべてのメーカーは、このような商標の強化を続けているのです。

そして、ある日『白い恋人』の前に、「吉本興業株式会社」が登場します。